真夜中に不意に目が覚めた。

ずっと眠りが浅くて・・・うつらうつらしている事が多かったのに、今日は、昼間の乱闘の所為で、体力が無くなって・・・。

何時、意識を失ったのか覚えていない。

こんな風に、体内の電池が切れるみたいに気を失わないと、眠る事が出来ないなんて、もう病気だ。

皆が心配してくれている事も理解ってる。

それでも、今の自分にとって眠りは決して安眠ではないから。

見慣れた自分の部屋の天井が目に映る。

「・・・明日・・・謝らないと・・・」

小さく息を吐いて、呟く。

最後の記憶が正しければ、自分はまだ街中に居た筈だ。

家まで連れてきてくれたのは、傍にいてくれたマー坊くんなんだろう。

マー坊くんも、凄く大切だった人を失った経験があるから。

だから・・・。

急に、目頭が熱くなってくる。

もう、枯れ果ててもおかしくない位流した筈の涙なのに・・・それでも、気持ちが揺れると溢れてくる。

唇を噛み締めて、零れ落ちないように空を見詰める。

それでも溢れ出す涙を止める術は無くて。

雨の様に雫がポタポタとシーツに染みを作っていく。

＜・・・会いたい・・・あいたい・・・よぉ・・・＞

からっぽの胸の奥から響く、無くした筈の心の声。

二人で紡いだ想い出が、色褪せて消えてしまわないように。

君の姿を忘れてしまわないように。

君の声をずっと、覚えていられるように・・・。

夢の中でも良いから・・・だから、どうか・・・。

どうか、逢いに来てほしい―――