冷たくなった身体を温めあうように、僕らは熱を分け合った。

戸惑いや抵抗が無かったと言ったら嘘だけど・・・でも、突き放せなかったのは、僕。

君の想いを受け止めたのは、他の誰よりも君を好きだったから。

僕の方が小さな身体なのに、全身でしがみ付くように僕を抱き締める君の腕が、哀しくて・・・身体の痛みよりも胸が辛かったのを覚えている。

「―――ごめん・・・。」

意識を失う前に、壊れ物を扱うかのように僕を抱き締めながら、懺悔するように告げられた謝罪の言葉。

それは、後悔している事を示していたのだろうか？

聞き返すだけの力はもう無くて・・・だるい全身に吸い込まれるように意識が途切れて。

―――目が覚めたら、もう次の日だった。

“おはよう・・・”

目の前に広がった君の微笑が、余りにも穏やかだったから・・・あの言葉は聞き違いだったのだと・・・そう、思い込んだ。

そうでもしなければ、胸が押し潰されそうだったから。

“お・・・おはよう・・・”

小さく呟いて、起き上がろうとして・・・。

結局、起き上がれなくて―――。

そのまま、半日二人でベッドの中で過ごしたあの日。

始終、穏やかな表情でいた君の心の中は、本当はどうだったのだろう？

今では、もう尋ねる事もできなくなってしまったけれど。

＜―――君は、後悔していたの？＞