|
（注意！メインは秀人×拓ですが、一部驚愕のシーンがあります（苦笑）拓受け以外駄目な御方は読まれない方が無難かも（＾＾；））
秀人と拓の『ホワイトデー』
２月１６日 月曜日
学校の自分の机で頬杖をついたまま、デレ〜ッとしたしまりのない顔をしている秀人。
仲間達もその雰囲気に、ちょっと近寄れずにいた。
大介「オ・・・オイ・・・・どーしちまったンだヨ？アレ？」
吉岡「知んねーよぉ」
オッくん「最後に秀人見たの、金曜の夜だろ？」
吉岡「で、今日これだよ」
大介「つーコトは、土日にナンかあったんだな？」
吉岡「ナンかって？」
大介「んなコト、オレが知るかよ？」
オッくん「でも早えートコなんとかしねーと・・・・」
吉岡「ああ・・・・」
３人「気味悪リーよ・・・・」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
乱校。
フラフラになりながら、拓はなんとか学校に到着した。
拓「つ・・・・つらい・・・・・・・土日２日間、びっしりだったからなぁ・・・・・・・・ でも・・・・・・・・」
にへらっとした顔で、土日のことを思い出している。
拓「秀人クン・・・・・・・・（はあと）」
うっとりと呟くと、突然、後ろから背中を叩かれた。
マー坊「たーくちゃん」
拓「あっ、マー坊くん。おハヨ」
マー坊「ハヨ。どしたの？なんかニヤニヤしちゃって？」
拓「えっ・・・・いや・・・・・・・なんでも・・・・・・・・」
秋生「オメー、土日いねかったろ？どっか行ってたんかヨ？」
拓「えと・・・・その・・・・・ま・・・・前のガッコの・・・・・友達のトコに・・・・久しぶりに・・・・・」
マー坊「その友達って女のコ？」
拓「い・・・いや・・・・違うケド・・・・・・どして？」
マー坊「だって、せっかく土曜日はバレンタインだったんだし、デートだったのかな？って」
拓「まっ・・・・まさか・・・・・デートなんて、そんな・・・・・・・・・・・」
―――と言いながらも、拓の顔は真っ赤だ。
秋生「（だったんじゃねーのかヨ？その顔・・・・・・・）」
秋生は眉をしかめた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
秀人のクラス。
オッくん「秀人ぉ――、ナンかいいコトあったんかよ？」
このままでは気味が悪いので、３人は意を決して聞いてみることにした。
（あくまで軽いノリで）
吉岡「一昨日バレンタインだろ？もしか秀人・・・・」
秀人「おっ・・・・・うっ・・・・・・そんなんじゃ・・・・・・・・」
思わず言葉が詰まってしまい、秀人の顔がみるみる赤くなる。
大介「ヒューヒュー、やっぱそーなんじゃん？もてるねぇーこの色男」
秀人「・・・・・・・・・・茶化すなヨ・・・・・・・・」
吉岡「もしか・・・秀人マジなんか？」
秀人「い・・・・いや・・・・・・別に・・・・・・」
オッくん「（秀人の言葉は流している）だったら大変だゾー、オンナはカネがかかってかかって」
秀人「・・・・え？・・・・・」
大介「とりあえずは来月のホワイトデーに３倍返しだよな？」
秀人「ホワイトデー・・・・・・（呟くように）」
吉岡「んで、花見やＧＷのお出かけ」
オッくん「夏休みは思い出作りに、やっぱ旅行かな？」
大介「クリスマスには」気合入れてプレゼントだし」
吉岡「他にもいろいろあんよな？オレんトキなんてよ―――・・・・・」
３人は秀人そっちのけで、どれだけお金がかかったかを話し始めた。
当初の目的をすっかり忘れてしまったようだ。
そんな３人を横目で見ながら、
秀人「３倍返しか・・・・・・・アイツ・・・・・・・・何やったら、喜ぶんかな・・・・・？」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
拓のクラス。
賑やかに騒いでいるみんな。
マー坊「だからぁ、このあとお返しだって！大変だヨ？来月」
拓「マー坊クン・・・・・そんなにチョコもらったの？」
マー坊「うーん、なんかいろんなトコからで・・・（指を折る）大体５〜６０個くらいかな？」
拓「うひ―――――！？」
カズ「スゲー、マー坊くん。オレなんてギリで３個よ？３個」
リョー「オレだってギリでよー・・・・」
はっ！と何かを察するリョー。
間髪入れずに京子の指がリョーの耳を引っ張る。
リョー「いでででででででで！！！？」
京子「ギリ？誰から？まさか、ヘーゾーじゃないでしょうね？」
リョー「あぁ？なンでヘーゾーよ？」
京子「じゃあ誰からなの？まさかあたしのまでギリだなんて言わないわよね？」
リョー「そ・・・そんなコト・・・・・」
京子「とりあえず、ゆ―――っくり話し聞かせてもらうから、ちょっといらっしゃい？」
リョー「いっ・・いででっ！！引っ張んなって！！ちょっ！！オイ！！」
教室から連れ出されるリョー。
ご愁傷様といった顔で見守るしかない爆音メンバー。
マー坊は目を閉じて十字を切っている。
ジュンジ「あの調子じゃ、来月大変だな？」
拓「来月？」
ジュンジ「ホワイトデーのお返しだよ」
カズ「ありゃーマジやべぇモンねだられそーだナ？」
拓「やばいモンって？」
カズ「ん―――、ブランドもんとかかな？」
ジュンジ「あと、温泉連れてけ、とか」
拓「え―――！？ホワイトデーって、そこまでお返ししなきゃダメなモンなの―――！？」
秋生「そりゃ、付き合ってるヤツのハナシだろ？」
マー坊「そーそー、ギリはフツーのお返しでいーんだよ・・・・って拓ちゃん！もしか本命チョコ貰ったの？」
秋生「そーいや、朝ウカれてたもんなぁー」
カズ「なンだヨ拓！？マジかよ？」
ジュンジ「おーおー、スミにおけねぇなぁ？相手誰だヨ？
拓「ちがっ・・・・・ボク、チョコなんてもらってないよ―――！！」
マー坊「照れなくてもいーじゃん？オレも一緒にお返し考えてあげるからさ？」
カズ「拓にもやっと春が来たかぁ・・・・」
ジュンジ「テクでわかんねーコトあったら、オレがいろいろ教えてやンぜ？」
マー坊「ちゃんとゴム使わないとダメだよ？拓ちゃん」
拓「だから違うってばぁ―――！！もう知らないよぉ！！」
叫びながら、拓は教室を飛び出していく。
秋生「あっ！？拓！！」
マー坊「もー、皆からかいすぎだよ？」
ジュンジ「マー坊くんだって一緒になって言ってたじゃん」
マー坊「えー？オレなんか言ったっけ？」
カズ・ジュンジ「言ったよ！おもいっきり！！」
ギャハハハハハハと笑いころげる３人。
秋生は拓を心配しているが、皆の手前追いかけることが出来ない。
秋生「・・・・・・・・・・・拓・・・・・・・・・・・・・・」
・・・拓は廊下を走っていた。
拓「もう・・・皆でボクのコトからかって・・・・・・でも・・・・・・・・」
拓・秀人（同時に）「ホワイトデーかぁ・・・・・・・」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
校舎の裏の人気のない場所で、拓は１人妄想中。
拓「ブランドものなんていらないし、そんなものくれるとは思わないケド・・・・・・ ２人で温泉・・・・・・・・いいなぁ・・・・・・・・・・・・・ なかなか２人っきりになれないし・・・・・・・・・・・・」
ふと、背後に人の気配を感じる。
恐る恐る振り返ると、タバコを吸いに来た龍也がいた。
龍也「・・・・・・２人で温泉？ヘェ、意外と甲斐性あんじゃねェか？チビ？」
拓「えっ・・・・！？・・・・・・いえっ・・・・・・・その・・・・・ボクがじゃなくて・・・・・・」
龍也「ナニ訳のわかんねぇコト言ってんだぁ？（拓のあごに手を添えて）
温泉行きてーんだったら、オレが連れて行ってやんぜ？」
拓「やっ・・・・！！・・・・・（慌てて後ずさりしながら）えと・・・・・ボク・・・・・・その・・・・・友達と・・・・・・・」
龍也「ダチィ？んなモンと行ったって、つまんねーだろ？・・・・・・・・・・・・・・・・オレにしとけよ？」
拓「（ジリジリと後ずさりしながら）えと・・・・・ボク・・・・・・その・・・・・・・・・・
（いきなりダッシュして）ゴメンなさ――――い」
拓は脱兎の如く、走り去っていった。
そんな拓を見送りながら、
龍也「・・・・・・・・・・・・まだ・・・・・・・・・・わかんねーよな・・・・・・・・・？」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そして、ホワイトデーの前々日の金曜日。
マー坊「たっくちゃ――ん、昨日の走りもスゴかったじゃん！？次はいつ走ろっか？今日？土日？」
拓「あ・・・・・今日から、ちょっと用事があって・・・・・・」
マー坊「えー！？そんなのブッチしちゃえよー？」
拓「そ・・・そんな訳には・・・・・前のガッコの友達と会わなくちゃいけないんで・・・・・・（上目遣いの潤んだ瞳で）ゴメンね？」
マー坊「う・・・・・・そんな目で見んなヨ―――・・・・・・・オレ、なんか悪いコトしてるみたいじゃんかぁ――」
秋生「（前のガッコのヤツ・・・・・・もしか、拓の相手かも・・・・・）」
放課後。
いそいそと浮かれて帰る拓の後を、秋生はコソコソとつけていく。
背後に人の気配を感じて振り返ると、そこには何と龍也の姿があった。
驚く秋生の口をさっと手で塞ぐと、
龍也「オーット、静かにしねーと、チビに気づかれっゾ？」
秋生「なっ・・・・・なんで・・・・・オメーがココに・・・・・？」
龍也「オメーも、あのチビが気になってんだろ？」
秋生「オ・・・オレは・・・・・別に・・・・・・・」
龍也「今更隠したって、しゃーねぇーだろ？」
秋生「・・・・・・え？・・・・・・・・」
龍也「あのチビを好きなモンどーし、ココは手ぇ組んどこーゼ？」
秋生「お・・・・・オメーも・・・・・？」
龍也「・・・・・・・・・・・まーな・・・・・・・・・・」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
拓「秀人く――――ん！！」
秀人「拓！（持っていたタバコを投げ捨てる）」
拓「ごめんね、待った？」
秀人「んなこたねーよ」
拓「だって、こんなに冷たいよ？」
秀人「・・・・・だったら、あっためてくれんか？拓？」
とたんに拓はボッと真っ赤になる。
拓「え・・・・えと・・・・・それって・・・・・・あの・・・・・・・」
秀人「（クスリと笑って）じょーだんだよ。とりあえず今はこんだけでいい」
―――と、言い終わるが早いか、秀人は拓に軽いキスをした。
拓「・・・・・・・・・・秀人クン・・・・・・・・・・・・・（照れ照れ）」
秀人「さ、行こーか？拓（肩を抱く）」
拓「（照れながら）・・・・・・・・うん・・・・・・・・・」
２人のやりとりを、龍也と秋生は細い路地の影から見ていた。
秋生「・・・・・・・・・・・まさか・・・・・・相手が、外道の秀人だったなんて・・・・・・・」
龍也「さ、行くぜ？」
だが、秋生は立ち止まったまま動かない。
龍也「？どーしたよ？行かねーんか？」
秋生「・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・こんなコトしてたって、拓は・・・・・あいつは振り向いちゃくんね――・・・・」
龍也「あぁ！？」
秋生「それによ、今の見たろ？あの２人に割って入るなんて、オレにゃあムリだぜ・・・」
龍也「チッ・・・・だらしねぇ・・・・オレぁ１人でも・・・・・・・・・・・って、いねぇ・・・・・・・・・・見失っちまった・・・・・・・・・」
秋生は何故かホッとした。
龍也「テメェ・・・・・・笑ってんじゃねぇゾ？」
秋生「あぁ！？」
龍也「オメェが、んなトコでビビリくれやがんから、チビ見失っちまったじゃねーか？」
秋生「どのみち、アイツはムリだって・・・・・・・・！？ガッ・・・・・・」
龍也はいきなり秋生に殴りかかる。
不意をつかれて秋生は膝をつく。
秋生「・・・・・・・・・・テメェ、いきなり何しやがん・・・・・・・・！？なっ・・・・・・何すっ・・・・・・・・・リューヤ！！テメェ！？」
自分のベルトを外し、秋生の両手を後ろでに縛り付ける。
秋生「汚ねーゾ！リューヤ！！タイマンならちゃんと受けてやんぜ！！」
龍也「まぁ、受けてもらうことにゃあ違げーねーんだが・・・」
龍也は秋生の腰を撫で回した。
秋生「！？オメッ・・・・・・！！ナニ考えてやがんだっ・・・・・！？」
龍也「別に・・・・・ただ、チビを見失ったセキニンてヤツをとってもらおーと思ってな・・・・」
秋生のベルトを外し、路地の隅のパイプと秋生の足を縛り付ける。
秋生「セキニンて・・・・・・まさか・・・・・？（顔が強張っている）ジョーダンだよな？リューヤ？オイ、やめろよ？オレはそっちじゃねーんだって！！」
龍也「ゴチャゴチャうるせーんだよ！！一気にいくぜ？」
秋生「や・・・・・やめろって！！！！う・・・・・うわ・・・・・・！！！！」
ビルから一斉に鳥が飛び立った。
拓「あ―――、鳥がいっぱい・・・」
優しい笑みで秀人は拓を見守る。
秀人「なぁ・・・・・拓・・・・・・・」
拓「ん？何？秀人クン」
秀人「ホワイトデーのお返しってヤツ・・・・・・・・・・・・いろいろ考えたんだケドよ・・・・・・・・・・」
バイクショップの前で立ち止まり、中に入っていく秀人。
？の顔で後から拓もついて行く。
秀人「オヤジさん、出来てっかい？」
店主「ああ、奥のシート被ってるヤツだよ」
秀人「ちっと、奥の方、入らしてもらうぜ？」
店主「ああ、構わんよ」
２人で奥へと入っていく。
秀人「（拓の方に振り向いて）・・・・・拓・・・・・・・・・」
シートを外すと、パールホワイトのＦＸがあった。
拓「・・・・・・・・・？・・・・・・・・・コレ・・・・・・秀人クンの・・・・・・・・・？」
秀人「いや・・・・・コレはオメーのだ・・・・・・・・拓・・・・・・・」
拓「ボクの？」
秀人「ああ・・・・・・オメーのために、オレとおんなし仕様に組んでもらった」
拓「ボクのために・・・・・・・・・・」
秀人「オメェ・・・・・・コレ乗って、ウチ（外道）に来いよ？」
拓「・・・・・・・・・ボクが・・・・・・・・外道に・・・・・・・・・・・」
秀人「・・・・・・・イヤか？」
拓「ううん・・・・・・ボク・・・・嬉しすぎて、なんにも考えられないよ・・・・・・・・・」
秀人「（嬉しそうな顔で）拓・・・・・・・・」
拓「ありがとう、秀人クン・・・・・・」
他には誰もいないので、抱き合ってキスをする２人。
秀人「今日はこれから、早速お披露目だ！」
拓「これから？」
秀人「ああ！だってヨ、土日は２人でずーっと忙しいかんな？」
拓「ずっと・・・・・・って・・・・・・・・（真っ赤になる）」
秀人「さ、出かけよーぜ？拓？」
拓「うん、秀人クン」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そして月曜日。
つやつやの顔でウキウキと登校してきた拓とは対照的に、暗くドンヨリとした秋生の顔。
秋生「・・・・・・・・・・うう・・・・・・・・ケツ痛てぇ・・・・・・・・・・今度ツラぁ見たら、リューヤ、ブッ殺す！！」
おしまい。 ／ 戻る
（コメント／・・・・・・龍也、誰でもいーんでしょうか・・・・・・・・・？（笑）まぁ、ただのウサ晴らしなんでしょうが。マジか？と聞かれて別に・・と答えている秀人クンはただの照れ隠しです。あと、走り去っていく拓ちゃんを見て、まだわかんねーよなと龍也が言っているのは、まだ振られたかどーか分かんねーよな？というイミで言っています。ちょっと分かりづらいかも知れなかったので、一応注釈を入れておきます。で、どうしましょう？私はこのあと龍Ｘ秋を書かにゃあならんのでしょうか？）
（ドリーマーのコメント：一つの話の中で、天国と地獄を垣間見たような気が・・・（核爆）りゅ・・・龍×秋って・・・初めて見ましたよ・・・。いやもう・・・何ちゅうか・・・アッちゃん相手にその気になれる龍也さんが天晴れというか嫌がらせ大賞と言うか・・・凄すぎです（Ｔ▽Ｔ）夏鰐に続く衝撃ＣＰ第二弾ってトコですね（苦笑）でもまぁ・・・秀人と拓が限りなく幸せなので、良しとしましょう！（←大問題発言）御揃いのマシンだなんて・・・天国一確ですわｖｖｖありがとうございましたーーー♥） |