【ｅｓ】／秋生君と拓の初めての事

下からKHのエンジン音が聞こえる。
しかし、目の前には秋生が居る。
秋生と拓、二人は今、布団の横でお互いに正座したまま、向かい合っている。
取り合えず秋生の部屋に・・・と、二階に上がってきた。
　
／／／ちっ、このクソ寒いのになぁ・・・おい、KH貸せよ、ちょっと出て来るから／／／
夏生は気を利かせて、一晩外に出る事にした。
しかし、簡単に事を運ばせるのは、何となく納得行かない。
腹癒せにと秋生にKHの鍵を要求した。
秋生は一瞬躊躇ったが、仕方なしにと鍵を夏生に投げた。
　
「・・・いいの？KH」
拓は秋生が、KHを何より大事にしている事を知っている。
もう、排気音は遠くに聞こえているが、心配に聞いた。
「いいの！」
向い合った秋生が、拓の問いに即答した。
「で、でも・・・」
拓が申し訳無さそうに言う。
「貸したのは兄貴だし！大丈夫！帰ってくるし！拓が心配する必要は無い！」
興奮の為か、秋生はつい、大声で怒鳴ってしまった。
「ご、ごめんなさい」
大きな声にびっくりした拓が、拳を握り締めて俯いてしまう。
―――わぁーーーーーーーーー俺！何やってんだーーーーーーーーーー！！！！
秋生は怒鳴るつもりは毛頭無く、ましてや謝られるように怒ったつもりも無い。
しかし、拓は不安の為、秋生が怒っていないと解っていても、ついつい反応してしまった。
「だ、大事なKH・・・ごめんね」
拓は不安なのと、秋生に迷惑をかけてしまった事に、情けなくて涙が出てきた。
緊張しすぎで、自分の感情が上手くコントロールできない。
拓の握った拳の上に、涙がぽたぽたと落ちるのが見えた。
―――俺ーーーー！する前から泣かせてどうすだよーーーーーーーー！！
確かに、KHと拓を少しは頭の隅で天秤にかけた・・・が、当然拓の方が大事に決まっている。
ぶっちゃけ、泣きたいのは秋生の方になってきた。
なんとか拓の涙を止めようと、わたわたと慌てる。
「いや、だから、それは、それで、拓の方が断然大事で、怒っるわけでも無くて〜〜〜っ」
　
拓の方も、秋生の言いたい事は解っている。
―――でも、やっぱり・・・怖いし・・・。
けれども、慌てている秋生の誤解を解こうと、切れ切れながら自分の感情を説明した。
「あ、あの、怒って、んじゃ無いって、解る・・・ちょと、その、不安で・・・だ、大丈夫、信じているから、秋生君の、こと・・・。」
そう言って、拓は伏せていた顔を秋生の方へ向ける。
　
眼は涙で潤んでいて、切なげに細められ、真っ赤な顔で・・・。
更にそんな殺し文句言われれば、我慢しろと言う方が無茶である。
　
秋生は拓を勢い良く抱き寄せ、きつく抱きしめた。
「わっ！」
覚悟していたとはいえ、いきなり抱きしめられれば流石に驚く。
拓の肩口に顔を埋めると、先ほど飲んだホットチョコの香りが微かに漂う。
―――あんまり甘くなかったけど・・・。
けれども、拓の唇は甘いのだろう。
秋生はそう思うと、腕の力を少し緩め、拓の顔を見た。
真っ赤な顔で、大きな濡れた瞳をぱちくりさせている。
唇は堅く閉じられて、衝撃に息を止めているようだ。
　
愛しいと言うよりは、我慢が出来ない。
一つ一つ確かめて行くなんて、そんな余裕は無い。
秋生だって初めてで、拓を大事に思っていても、衝動が抑えきれない。
唇を舐めて、ゆっくり・・・と頭で考えていても、行動は拓を布団に押し倒して、顎を強く持ち、唇を強引に開かせ口付ける。
　
「！っーーーーー」
拓は大きく眼を開く。
拓の逃げる舌を、吸い付き、絡ませ、弄る。
歯茎や口内を舐めまわす余裕なんて無くて、動くそれしか、感覚的に感じられず、逃げようとすれば、追いかけて、押さえて・・・。
拓の舌が秋生の舌に力を無くす。
ふっと、拓が短い息を吐き出すと、秋生の口内に唾液込みあがった。
　
こぷんっ
　
と、拓の口端から液が漏れる。
　
唾液の飲み方なんか知らない。
　
拓は気管の方に少し入ってしまった唾液を、もう我慢できなくて、秋生が唇を離した途端大きく咳き込んだ。
「うっ！げほっ！げほぅ！うっ、、、ぐっ、げほっ」
うつ伏せになり、片手を口に当てて、下に咳を繰返す。
唾液と苦しさから来る涙が、ぽたぽたと布団に染みを作る。
「あ・・・っーーーー」
秋生は悪いと思いながらも、上手く声をかけられなかった。
「ふっ・・・うっ・・・」
ずっと鼻水も啜りながら、落ち着こうと肩で息をする拓。
焦っていた秋生も、拓の落ち着こうとする様を見て、少し正気を取り戻した。
　
肩で息をする拓の背中を、何も言わずに撫でてやった。
「うんっ！」
ぴくんっと拓が軽く反応し、布団に手を付いていた拳を握り締めた。
二、三度そのまま撫でてやると、びくびくっと震えて、布団に突っ伏す。
背中を撫でた手を、少し乱れた服の下に滑り込ませてみた。
「ひぃ！」
脇腹の辺りから、冷たい空気と、自分より体温が低い手が入る。
拓は身を竦めて、小さく悲鳴を上げてしまう。
手はそのまま、拓の服をすりあげ、脱がそうとした。
「あ、嫌、駄目！」
拓は秋生の下から逃げ出そうとする。
秋生はそんな拓に覆い被さり、前に出る片手首を押さえつけた。
「嫌？」
秋生は少し悲しそうに、声のトーンを落として聞いた。
余裕は無いが、嫌と言われれば、無理強いは出来ない。
　
ここまで来ておいてなんだが、逃げるのなら、お互い、今のうちだと・・・。
　
そう思った秋生だったが、拓の答えは予想外のものだった。
「・・・って、言うか、その、お、お風呂、ね？」
無理な体勢で、首を秋生のほうに向け、拓はおねだりするように言う。
―――っか！誘っているだろ！それ！やっぱり、我慢できねーーーー！！！
　
　
「無理、我慢できね」
「わぁーーー」
秋生は言うが早いか、拓の腰を持ち上げ、膝に抱える。
拓の首筋に後ろから噛付き、手はお腹の辺りを撫でつけた。
「うわぁん！」
荒っぽい感触に、思わず情けない声が漏れる拓。
秋生の手が腹から肋骨をなぞり、胸を撫で付け、鎖骨に指を滑らせる。
　
何処を触ったら、どう言う風に感じて、反応するかなんて確かめてる余裕ないから。
　
夢中でまさぐる。
　
拓の方も良く解らないので、感じると言うよりは、秋生の手の体温を追う反応。
　
それでも、乳首など解り易い性感帯に触れられれば、びくりっと反応して息を詰めた。
「ん！」
解り易いので、人差し指の腹で撫でてやれば、徐々に小さい塊になり、指に引っ掛かって来る。
顔を覗くと、唇と眼をぎゅっと閉じて我慢している。
そんな顔見ているだけで、下半身に熱が集まって、竿の付け根が膨らみはじめた玉袋に押されてくる。
拓の方はどうかと思い、股間に手をやると、ズボン越しでもわかるくらい形をなしていた。
びくっと感じたのを合図に、やわやわとペニスの形になぞってやると、小さくうめき出す。
「ううっ、うっ、うっ」
　
―――全部見たい。
　
秋生は思った。
　
拓のペニスの形も、薄い胸に飾る乳首の色も、羞恥に染まる肌も、乱れる髪、濡れる赤い唇、育ちきっていない身体の曲線―――。
　
「なぁ・・・脱がして良い？」
秋生が拓の耳元で囁いた。
そして、拓のシャツを胸の辺りまで持ち上げる。
「ずるいよぉ・・・秋生君も脱いで。僕も、自分で脱ぐからぁ」
拓は脱がそうとする秋生の手を握って、言った。
「あ・・・ああ」
　
何だか気恥ずかしい。
拓が自分のあぐらから降りると、秋生は何となく後を向く。
拓も秋生が後を向いたことを確認すると、するすると着ているものを脱ぎ始めた。
「脱いだか？」
「う、うん、脱いだ」
お互い後を向いたまま、確認しあう。
「じゃ、いっせーのーせ！で向くぞ」
「うっ・・・うん」
「よし、いっせーのぉーせ！」
お互い秋生の合図と同時に、向き合った。
　
「・・・っわぁ・・・おっきぃー」
拓が秋生の半立ちのペニスを見て、思わず呟いてしまった。
―――は・・・挿入る、か、なぁ？・・・。
「いや、その・・・どうも・・・ありがとう」
秋生が照れて、たどたどしくお礼を言い、頭を掻く。
拓を見ると、全部脱いでは居るが、脱いだ服を抱えて隠していた。
「なっだよぉ〜拓ぅ・・・自分だけずりー」
秋生が唇を尖らせて抗議する。
「え、あ、だって、その、ねぇ？」
拓は真っ赤になって、もじもじした。
―――うっわ・・・かわいい・・・。
秋生はごくりと喉を鳴らすと、拓の両腕を取り持ち上げた。
「きゃ！」
拓の持っていた服が散らばる。
「嫌、だぁ」
膝立起ちの拓が、隠す事も出来ないので下を向く。
「今更・・・嫌だもなにもねぇ・・・って言うか・・・」
秋生は拓を引寄せて、ゆっくりと布団に押し倒した。
「・・・マジでかわいい」
　
拓を下に、初めて見た姿態は、幼い割には妙に艶かしくて、喉から鎖骨のラインが、理想通りに反っていて・・・溜息が出る。
　
そのまま、拓に覆い被さり、抱きしめて、首筋に顔を埋めて宣言する。
「悪りぃ・・・なるべく優しくすっけど・・・無理だったらごめんな」
秋生の言葉に、拓はふっと儚げな微笑を浮かべた。
―――大丈夫・・・だって、僕の大好きな・・・。
「うん・・・。秋生君・・・だから・・・」
拓はぽそりと呟く。
　
お互い、見詰め合い、キスをする。
　
軽く数度触れ合って、拓の開いた唇に、秋生は舌を差し込む。
ぴくりと一瞬、拓が震える。
拓も舌を絡ませて、秋生の口内や舌を感じてみる。
唾液はやっぱり上手く飲めなくて、頬に伝うが、気がついた秋生が舐めとってくれた。
　
そのまま、秋生の舌が拓の首筋に沿い、鎖骨に口付けられ、唇が胸に落ちて行った。
一方の乳首は舌で転がされ、もう一方は人差し指で押しつぶされる。
「んぅ！」
拓が小さくうめく。
転がされている乳首から、下半身にぴりぴりと響いた。
拓のペニスがくくっと立ち上がってくる。
秋生は拓のペニスを玉袋ごと持ち、やんわりと揉みしだくと、短い呼吸に変ってくる。
「んっ、ふっ、ん、んっ」
鈴口を爪で押してやれば、短く悲鳴を上げて、先走りの液をとろとろ流した。
　
自分で触るのと違う感覚に、そのまま意識を預けそうになる。
乳首なんて触った事無いし、感じるなんて知らなかった。
―――僕だけじゃ、なんか悪いよね。
拓はそう思うと、意識を立て直して、手を伸ばし秋生の乳首に触れてみた。
びくっと秋生が反応して、拓のペニスへのしごきを停止してしまう。
「おいおい、余裕あるなぁ」
秋生が苦笑する。
「余裕なんかぁ、無いよぉ・・・僕だけじゃぁ、悪いでしょう？」
赤い濡れた舌を見せながら、中途半端な意識で舌足らずに答える拓。
―――その痴態だけで、イけそうなんだけどなぁ〜俺は・・・。
秋生の方も、先走りの液がたらたらと垂れている。
今直ぐにでも拓に穴に挿入れたいが、流石にその為の器官ではないので、自然には濡れてこない。
―――舐めてもいいけど、ローションだろうなぁ・・・あの引出しの中。
部屋の隅の机を見る。
　
「拓・・・一度イって・・・、それの方が、力が抜けるらしいから」
秋生は拓の膝を割り、股間に顔を埋めた。
拓を傷つけないため、勉強した本のマニュアル通りに進める秋生。
拓は驚いて四肢を硬直させるが、直ぐにペニスに加わる冷んやりした、今まで感じた事が無い舌の刺激に腰で擦り上がった。
「ちょっと！だめぇ！」
それでも秋生が足を引寄せ離れない。
咥えられて、裏スジやカリ首に、舌を立てられる。
肉棒を根元まで飲み込こまれ、ずるずると嘗め回された。
「いっ、ちゃうよぉ、ああぁぁぁぁ」
拓の悲鳴にもかかわらず、フェラチオはさらに激しさと速さをましていった。
金玉がきゅっと引き締まり、精液がものすごい速さでわきあがってくるのを、快感で気が狂いそうになった身体が感じていた。
「あああっっーーーーーーーー」
拓は秋生の髪の毛を掴んで、射精感に耐えてみたが、開放されようとする力は強く、四肢を引き攣らせて秋生の口の中でイった。
「ん、あっ、ふうっ」
ぴくぴくと２、３回痙攣して吐き出す。
　
口の中で小さい刻みに震える拓のペニスが愛しくて、秋生は口の中に溜まった精液をゴクリっと飲み込んだ。
「ひゃぁ！嫌、やめ、てっ！」
飲むなんて信じられなくて、拓はぽろぽろと泣き出した。
「な、なんだよ？何か嫌だったか？痛かったか？」
いきなり泣き出した拓に、秋生はおろおろした。
「うっ、だって、の、飲むし、飲むのはだめぇ」
痛かったとか、そう言うわけでは無いらしい。
うえーんと泣き出した拓に、困ったなぁ・・・と溜息を吐く秋生。
「お願いだから、これくらいで泣かないでくれよ・・・もっと泣かせる事するんだから」
秋生はそう言うと、立ち上がって机の前に行き、引出しからローションとコンドームを出して拓の前に戻った。
「これ、使うけど、舐めただけじゃたぶん駄目だから」
ローションを拓の前にかざす。
「うっ？舐めるって？」
たぶんそう、解っているけど、あんまり考えたくない。
「ここ」
秋生は拓の股間の奥に手を入れて、中指でアナルをなぞった。
「うっ」
拓が足を引き攣らせて眉を寄せる。
やわやわと中指で揉んでやると、真っ赤になって顔を横に反らし俯く。
「いやっ―――っ・・・っ」
嫌だ、と言おうとしたら、秋生の顎を取られてキスされた。
　
自分の味が口内に広がる。
激しくない優しいキスの音が、頭の中に響く。
　
ぬちゃっ
　
と、音が鈍く響くと、熱かった口内に冷たい空気が入ってきた。
秋生の顔が、濡れた視界で歪む。
　
「嫌はもう無しな。俺、もう止まれないから、もっと拓見たいから・・ごめん、我慢してくれ」
秋生の言葉に、拓は無言で頷いた。
―――嫌じゃ無いよ、全然。
もうとっくにそんな覚悟はある。
ただ、どう反応して良いか解らないから、否定の言葉を漏らす。
　
舌の先を尖らせて、広げ伸ばすように丹念に穴を舐めていく。
恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。
突付かれる度に力を入れてしまうが、何度も何度も優しく舐め続けられたので、穴は収縮して軟らかくなってきた。
快楽には程遠いが、ひくついてきたのが自分でもわかる。
「ちょっと冷たいけど、我慢しろよ」
秋生は、拓のアナルにローションを塗る。
冷たさにぴくりっと震えたが、馴染ませると、体温で温まり、とろりと溶け出してきた。
指を一本挿入れると、難無く挿入され、少し出し入れして、中をかき回すようにして広げる。
異物の感覚に、拓は小さく悲鳴を上げた。
くちゃくちゃと粘着質の音に耳を塞ぎたくなる。
　
「んぁっあああ！」
秋生が中の前立腺を見つけて突付いた瞬間、拓が甘い声を出して四肢を硬直させた。
穴がきゅっと締まって、秋生の指を飲み込んだ。
より確かに、そこを確かめようと、秋生は指を二本に増やし、その場所をなぞる。
二本にしてもするりと入り、締め付けの割りには、中に引き込むように収縮してる。
「う、あ、何？」
拓が切れ切れに喘ぐ。
じわじわと来る快感に、どんよりとした熱が全身を支配する。
知らない快感に、なんとか我慢をしたが、不安で涙が零れてきた。
「ね、え、何？」
拓が秋生を見上げて問いかける。
―――うわ、その顔で・・・俺の方がもう、駄目。
「ちょっと、待ってろよ」
秋生はいっきに指を引き抜く。
「ひゃぁぁ！」
拓は大きく悲鳴を上げたが、達する程ではなく、広げられた穴が、しゅくしゅくと蠢いてもっと大きな刺激を待った。
秋生は急いでコンドームをつける。
―――あ〜あ、触られてもいないのに、起ちっぱなしとはねぃ・・・
秋生は、拓の痴態だけでそそり立つ自分のペニスを見て、苦笑する。
そして拓の腰を掴んで引寄せ、両足を大きく抱え上げた。
「あ、秋生君？！」
拓は驚いて秋生を見上げた。
「ごめん、ちょっと痛いかもしれないけど・・・」
秋生はそう言うが早いか、拓のケツ穴に自分のペニスの先を添えると、ぐっと力をいれて挿入しだした。
「ぐぅっ」
拓が苦しくうめく。
入りづらいかと思ったが、何とかカリ首まで収めると、引き込まれるように穴の締め付けが動いた
それを合図に、一気に根元まで収める。
「っーーーーー！」
声にならない声を出し、拓は歯を食いしばる。
　
駄目、快感なんて無くなって、痛みが先行してしまう―――。
　
半立ちになっていた拓のペニスが、一気に萎えてしまった。
挿入れて一息つく秋生に、拓のモノを気にしている余裕は無い。
予想以上の中の気持ちよさに、意識が飛びかける。
少し白くなっている拓の顔に、罪悪感が湧き上がって来たが、止められる筈もなく・・・。
「拓・・・ごめん」
呟いてキスをする。
ありったけの思いを込めて。
離れた秋生の顔に、拓は微かに微笑む。
「ご、ごめんはもう無し。大丈夫、大好き、だ、から・・・」
拓が秋生の首に抱きついて、思いを告白する。
秋生が深くもう一度キスをして、腰を動かした。
粘着質の音と、お互いの短い呼吸音が寒い室内に響く。
　
慣れていないから、擦れる粘膜壁が鋭い痛みを関知して、突かれる奥は内臓に鈍い痛みを残す。
　
苦しい、苦しい、苦しい、苦しい
　
そんな拓の我慢に、秋生が魔法の言葉で緩和する。
　
好きだ、好きだ、好きだ、好きだ
　
気持ち良いけど、必死で、本当は何がなんだか解らない―――。
　
抜き差しで、奥に挿入れる事に、根元が締め付けられる。
暖かい中で膨張する自分しか解らなくなる。
足の付け根がぴりぴりしてきて、膨張するペニスに追い討ちをかける。
　
・・・――――――――。
　
たぶんその瞬間は真っ白―――。
　
低くうめいて吐精をする。
あらたか吐精し終わると、拓の唇にキスをした。
軽いキスを繰返す。
暖かい中にまだ居たいが、辛そうな拓に悪いので抜くことにした。
「大丈夫か？抜くぞ」
「うぁ？う、うん」
根元を掴み、自分のペニスをずるりと引き出す。
「うん、ぅあぁん」
抜ける感じに甘い声を上げる。
―――わーーーっっ！その顔！その声！駄目！それ！
拓の微かに感じる甘い顔に、むくむくと、もう一度亀頭が頭をもたげてきた。
「〜〜〜〜〜っと、あ、ちょっと待っててくれ、すまん！」
秋生は拓に布団をかけると、立ち上がり、勢い良く部屋を出て行った。
　
バタン！
　
扉の音が響く。
向った先はトイレ。
「わぁぁぁぁ！ちくしょー収まらねーよ！！！」
秋生は、コンドームを修理した後、そのまま収まるまで数回トイレで抜いた。
幾らでも抜けたらしい・・・。
　
　
「ん？」
秋生がなかなか戻らない。
拓は布団の中で丸まった。
―――あんまり、上手く出来なかった、かなぁ？・・・。
下半身の鈍い痛みを押さえるように、腰を自分で抱き、反省してみる。
行為を思い出して、体温が少し上がると、急激に眠気が襲ってきた。
―――痛かったけど、今度は、もう少し、上手く出来る、と、いいなぁ・・・。
拓はとろとろとした思考の中で、何時かちゃんと、二人で一緒にイける夢を見る―――。
　

　
終わり　　　　／　　　　　戻る

（コメント／秋生はむっつりスケベだろう。）

（ドリーマーのコメント：うわーうわーっっ！！凄いです！Ｈです！尊敬します〜ｖｖｖくぅーーーっ、ドリーマーが挫折したイメージ以上のＳＳで嬉しいですっっ（＞▽＜）アッちゃんはお初でもテクニシャンくさーと思っていたので、大満足させて頂きました。高校生の知識で男同士の無理矢理じゃないやり方を知っているアッちゃん・・・ナニ見て勉強したんだろう・・・（苦笑）でも、拓ちゃんが初々しくて“べリグー♪”でした！アッちゃん幸せ者やぁ・・・ｖｖｖ本当にありがとうございました（大感激））